飛行船物語(第12便)
ジムノペディ
ゆるやかなピアノの旋律ががティーポットから流れ出る紅茶の中に吸い込まれていくような気がした。
ショパンかなと思ったけれど、はっきりわかるほどクラシックに詳しいわけでもないから、ただ黙って耳でメロディを追いかけていた。
白いテーブルクロスの向こうでローズピンクのワンピースを着た《あやなママ》さんと、明るいクリーム色のパンツスーツの《ひろきママ》さんがお互いの子どものことを話している。もうすぐ幼稚園のクリスマス会だ。プレゼントをどうするかひとしきりしゃべって楽しそうに笑う。わたしは頬の片隅に笑みを浮かべながら、ピアノの音に耳を澄ませていた。
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